製品を販売したとき、売上が上がるのは 販売管理 の通りなわけだけど、同時に 売掛金 *1 が発生すると。
でそんな債権を管理するのが 債権管理 ってことですね。
で、取引先には定期的に請求書を発行して、請求を行う( 請求締め処理 )。
その後入金されたら 入金処理 して、入金消込処理 を順次行う。
債権回収が足りなければ、売掛金情報として再請求として処理する。
請求締め処理
信用取引してると、契約開始時に締日(月末締め、翌月末払いなど)のように、請求をまとめ、請求する(請求締め)タイミングを決定する。
よくあるパターンなら 「毎月 21 日に、前月 20 日から 21 日までの取引をまとめて請求、支払い期限は翌月末まで」と言った具合。
会社によっては、月に複数回締めるケースは存在する。
その場合、請求締めは月に何回も行うケースがある。
例えばお客さん毎に締め日が異なる等の場合が考えられる。
「初月は期間が短いので翌月に併せて請求(翌月回し)」なども考慮したい。
請求書発行処理
請求締めの一環…システム的にはPDFが妥当だと思う。
請求明細を発行する他、場合によってはそのまま送信や、封筒印字(郵送時)なども行う。
尚、法律上プリントアウトする場合は、2枚発行し、1枚は保存義務(控え分。経理の処理対象)がある。
指定請求書*2 なんかも考えておきたい。
入金処理
請求書を送付したら、取引先は通常であれば支払うよね?(支払い方法は契約時決定)
で、この時債権が消滅して取引完了になる。
現金回収時や、取引先へは必要に応じて領収書を発行する必要もある。
入金消込
入金があった取引で、売掛金の消込処理を行い、残りの債権*3を把握する。
システム化するなら入金入力時にどの取引への入金化を関連付けして、取引が「入金済み」であることを把握できるようにしておく。
ただ、この消込は入金と請求の対応付けが難しいケースがある。(例えば複数の請求をまとめて入金された場合等や、請求先と振込先名義が違うなど…)
また、振り込まれた金額が合わないケースなんてのもある。
なので、システム的にはルールを設定して自動消込を行うようにできたほうが良い。
(不足してれば自動催促メールとか…)
発注
商材の入手、ないしは材料等を注文*4すること。
ただ、注文時点ではまだ確定していないこともあり、会計帳簿に記録する必要はない。
なので、その方法は 受注 のときと同じで、好きにできる。
発注方法は伝統的に、「定期発注方式*5」「定量発注方式*6」がある。
発注量も 経済的発注量*7 なんてのがある。
発注点 = (平均調達期間 * 1日の平均需要量) + 安全在庫
逆に購買にルールがあるなら、「計画購買*8」「発注点購買*9」「スポット購買*10」に分けてインターフェースを用意しておくと、発注自体もある程度自動化できる。
業務処理統制
仕入れや買掛*11につながるデータなので、色々リスクがある。
- 業者選定は適切か?
- 発注先から賄賂とかない?
- 判断間違ってるリスクはない?
需要予想
発注するということは当然発注数量も決定するわけだけど、
- 在庫の量
- 見込み生産の原材料
- 契約情況
- 例年の売上状況
等から、発注量を決定しておかないと
- 発注多すぎ余った → 不良在庫
- 突発的な受注が受けれない → 機会損失
なんてあるわけで、いつどれくらい売れるのか?を予測しておく。これが 需要予想 というらしい。
予測モデルは
- 移動平均法
今から1週間、明日から1週間等、一定期間の需要量を計算して、その傾向から次の1週間等の需要量を予測する方法。 - 指数平滑法
移動平均法のより直近のデータを重視(バイアスをつける)モデル。 - 線形回帰モデル
グラフにして近似線引いて、次の需要を予測。
因みに線を引く場合最小二乗法等で自動で計算もできる。 - 傾向モデル
- 重回帰分析
多変量回帰モデルの一種。こっち参照 - AI活用
RNN とか LSTM 使って、次の需要を予測する方式。
DeepLearning での予測アルゴリズムを載せたが、他のアルゴリズムでも良いかも知れない。
などがある。
仕入
発注した商品が送られてきて、受領すること。
このタイミングで、会計処理と在庫の計上を行う。
大体こんな機能が必要になる
- 仕入管理
- 在庫処理等
購買方法等には
債務管理
信用取引するってことは極論すれば借金するってことな訳で、ならどこから幾ら分の借りがあるか管理しなきゃって話。 勘定項目上は、仕入=買掛金、固定資産・事務用品・消耗品=未払金で計上される。
販売に締め処理があるように 支払締処理 もある。
- 支払予定表を作成
- 請求書との突き合わせチェック
- 支払処理(≒支払い。銀行振込等)
- 支払消込処理(支払い記録をつけて、未払い金額記録の抹消)
と、この辺が基本のやり取りやね。