技術をかじる猫

適当に気になった技術や言語、思ったこと考えた事など。

読書: アメリカの高校生が学んでいるお金の教科書(3)

これを読みながら自分的まとめ。
第3章分

就職・転職・企業の基本

前回

white-azalea.hatenablog.jp

組織の仕組み

  • 個人事業主
    最もシンプルな事業形態。自営業やフリーランスも含む。
    米国では法人化の手続きをしない場合は法律上は自動的に個人事業主扱いになり、ビジネスの借金=個人の借金だったり、確定申告も自分自身に帰属する。

日本国内では、個人事業を開業する際に届け出がある。「個人事業の開業・廃業等届出書」を市役所で登録できる。
これは提出しないことでの罰則は得にない。青色申告で確定申告をする場合は提出が必須である。税務署で記入、提出します。
メリットとしては、屋号名義で銀行口座手続きができる、オフィス契約や融資の審査が受けれる、職業証明等。
デメリットは失業手当がもらえない。配偶者の場合は扶養から外れる。副業の確定申告が必要(年所得 20 万)等。

個人事業主はシンプルで明快だが、これしか利点がないとも言える。
無限責任*1でもある。

  • 法人(≒会社): 法人の行うビジネスに関して、オーナーの株主には有限責任となる。

例えば法人が倒産した場合、破産手続きを行うことができる。
破産手続が終了すると、会社が消滅しますので、当然会社の借金も免除されることになります。

日本において、法人設立には定款作成、法人登記、必要書類の準備、許認可申請などの他、資本金を用意する必要があり、法人税、法人住民税、消費税、法人事業税などの支払い義務が出る。
メリットとして、対外的信用(融資など)、給与所得控除(自身への給与扱いにすることで節税)、退職金の支給(所得税等が優遇)、赤字が出た場合等は最大10年繰越で節税できる(法人税、地方法人税に適用)等。
ただ、法人が破産した場合も代表者が借金を負うケースがいくつかあります。
「代表者が会社の連帯保証人となっているケース」「代表者に損害賠償責任が生じるケース」「代表者が会社に借金しているケース」の3種です。

第6回 会社をつくるとなぜ節税になるのか?法人にした方が良いタイミングとは?【お金を"貯める"】 なども参考になるし、個人投資家なら 個人で資産管理会社を設立するメリット などもあります。
例えば株で儲けようとした時、配当は「給与」の形で受け取るわけですが、これをわざと抑えることで会社にプールしておける(個人会社なので、実質自分の口座に近い)。
これを退職金で一括受け取ることで、税優遇を受けて一気に拾えます。

紹介のあるワード

  • 無限責任: 企業が倒産した場合等で出資者が負うべき責任に制限がないこと。中小企業のオーナー社長などの多くがこの無限責任
  • 有限責任: 出資者、公開株の株主等がこれで、責任範囲が絞られていること。会社が倒産しても株が紙切れになるだけで済む…など。
  • (米国)ゼネラルパートナーシップ : 複数人で共同ビジネス経営する計上の一つ。合意書で意思決定方法、出資額、利益分配方法を取り決めるだけで、財務上は個人事業主と変わらない。
  • (米国)リミテッド・パートナーシップ : 最低一人が無限責任を負い、他メンバーが有限責任の共同体。不動産、映画製作委員会などで使われる
  • (米国)有限責任会社: LLC とか言うものがそれ。法人とは税金の扱い等細々とした点が異なる。

決算書の読み方

全ての資産から全ての負債を引いた額が、その会社の純資産という。
この時、資産、負債、純資産を記録したものを、「バランスシート」という。

日本に関連する話なら 財務会計つづき の関連の知識のほうがいいかも知れない。

事業計画に必要なポイント

一番大切なのでは「ビジネスプラン」。日本で言えば「事業計画書」。
中で見ていくのは次の通り

  • 製品とサービス
    独自性があるか?市場にどのように入っていくか?サービスの必要性は?
    このあたりが成功するカギになっている。
    このへん の経営戦略辺りの棺掛け方で事業分析してみると良いかも知れない。
  • マーケティング
    ターゲット顧客の設定、顧客はどのような行動する想定か?どう広告するか?
    どうやって市場に参入していくか周り。*2
  • 競合相手
    競合の分析、影響してくる可能性のあるテクノロジ、市場勢力図などを含んだ差別化をどうするか?
  • 製品・サービスをどう届けるか?
    どう作ってどう届けるか?製品なら材料集めや組み立て場所(自社?委託?)。
    サービスならどこでどのように提供するのか?(Salesforce で AppExchange で提供するなど)
  • サプライヤー(部品供給元)とカギになるインプット
    言ってみればサプライチェーン
    (コロナ禍の現在、2022年半ばでようやく収束してきた)
  • 物流とロジスティクス
    製品・サービスを届けるまでの道筋。
    物流業者と契約する、インターネット取引を活用する、営業部隊を作る、エージェントを雇うなど。
  • 資金調達
    出資者、資金、投資家、ベンチャーキャピタル、金融機関等の情報と、資金調達の形態(株、債権など)。
  • 認可・規制
    法的にどんな認可が必要なのか?安全基準、環境基準、雇用規制等でカバーできない事柄がないか等。
  • 財務計画
    5カ年の財務計画で、企業から初期段階までの損益計算書、バランスシート、キャッシュ・フロー計算書などや、出口戦略の考慮等。

フランチャイズビジネス

本部(フランチャイザー)と加盟店(フランチャイジー)の関係をもち、加盟店側が加盟金(ロイヤリティ)を払って、商標・商品・サービスの販売件を得られる仕組み。
加盟店は開業後も継続的に支援を受けれる。
扱い上は、「加盟店」は独立した事業とみなされる。失敗しても本部は知ったこっちゃない。

わかりやすい例が コンビニ ですな。

副業――食いっぱぐれない働き方

副業で事業を立ち上げる時は、LLCを設立すること(※米国での戦略)。
失敗しても有限責任になるので、自分の資産を守ることができる。

日本だと副業で事業を立ち上げるという感覚はなかなかないかも知れない。
有限責任を求めて法人を作る場合も、元手で 25 万必要だしね…
日本で副業とするなら、時間を切り売りする方法が一般的。
個人的にこの動画が気に入ってる https://youtu.be/SGJwRyipB1I

不動産

お金に関して不動産に係わるならこんな関わり方がある。

  • ディベロッパーになる
    XXハウスとかのメーカーですね。
  • オーナーになる
    投資家パターン。所有する不動産の運用で運用益を目指す。
  • 管理者になる
    不動産の管理維持・運営をする。

最初の物件選びだけ労力すれば、それ以外は殆ど手間がかからないのは利点。

副業としての不動産の場合、良くワンルームマンション投資の声はかかる。
というか 30 代位なら年 1 位来る。こんな感じの投資話がマジで来る。
株と投資信託一本と割り切ったので何も無かったけど、たまにファミレスでそんな契約してるの見ると恐怖を感じる。
【漫画】ワンルームマンション投資は絶対やめておけ! 〜もはや詐欺! 不動産屋の甘い言葉に潜む罠〜
第31-1回 不動産投資成功法 ワンルームマンション投資に手を出すな【お金の勉強 初級編 】
地価が上がることが分かってるならハズレではない…

資金調達

キーワード:
- エンジェル投資家
スタートアップ企業に投資する投資家のこと。
成長期待 age

景気はどうすれば読めるか?

金、ビジネス、雇用、貯蓄、支出、投資、生産がどのような情況になっているのかによる。
良好な経済は、これら全てが活発に行われること。

個人的には経済指標のほうが確実かなと…このあたり。
GDP*3、実質GDPGDPから物価変動を除いた指数)。
よりリアルタイムには、消費者物価指数コモディティ価格、消費者信頼感指数。日経平均株価(米ならダウ平均株価)、労働力調査(米なら雇用統計)。

景気がいい、悪いとは?

好景気は、雇用、賃金、利益が上がり、実質GDPも上がります。
不景気はこの逆ですね。
景気後退は多くの場合、失業、給料が上がらない(ないしは下がる)、政府と家計の借金が増えると言った影響が出ます。

経済には低成長状態もある。成長率が 1-2% の状態のことだが、アメリカは年 1% 弱のペースで人口が増えているので、年 1% では現状維持になってしまう。
低成長状態では、生活を切り詰める必要が出てしまう。

景気後退…日本人としては耳が痛いですね。この状況はバブルが弾けて 20 年は続いてる。
アベノミクスで一瞬持ち直しましたが…
尚、2022/07 現在、インフレが進むことで、米では賃金は上がっています…がこれは労働生産性を伴わず、物価が上がった事で、で賃金を上げなければ雇用できない情況なのであって、賃金物価スパイラルに陥りかけていました。
物価が上がる → 労働者確保のために賃金をあげる → しかし企業の生産性が上がったわけではないので、また価格転嫁する → 更に物価が上がる。
景気後退(リセッション)に関して、米国は既にその前兆がでており、2022/6 月時点で株式市場はその予測を盛り込み始めました。
これは、およそ 2023 年第四期と予測されています。

国境を超えたビジネス

  • 保護主義 : 関税等を使い、国内生産を保護する考え方。
  • 自由貿易 : 上記の逆、規制をなくして自由にしようという話。

専門家いわく、自由主義のほうが世界経済の利益になるという結論のようだ。

国境を超えて売買する場合、外国為替の取引が必要になる。通貨変更の手数料も当然かかる。
世界で事業展開するビジネスは拠点に関係なく米国ドルであることが多い、これは貿易に同じ通貨を使うことで「為替リスク*4」を避けることができるためだ。
またこれを回避するために「為替ヘッジ*5」を行ったりする。

日本円はこれを書いている時点で 1ドル 135円。
円安が継続していますが、この原因は主に世界各国が金融引締に乗り出している中、日本だけが継続的に金融緩和を行い、市場に円を流しているため。
市場原理的に量の多いものは価値が下がる。
一方で、引き締めに動くと長期金利(10年債等の金利)の利回りが上がります。
するとこれに連動して、住宅ローン(これも長期金利)も値上がりし、多くの人の負担が発生します。
これ以外にも、長期国債金利も上がることから、日本の借金が増える…これが理由で、日銀としては緩和を解くのが難しい状況のようです。

*1:ビジネスの借金も個人の借金などと区別しないので、事業失敗の責任(借金)が全て全額降りかかる

*2:マーケティングの記事このへん が日本の関連資料かな?

*3:国内総生産のこと。GDP=消費+投資+政府支出+(輸出-輸入)

*4:外国為替は、時間とともに価格レートが変わることで、思った以上の赤字になってしまうリスク

*5:為替取引等を利用し、円高・円安といった為替変動による損益を回避(ヘッジ)すること