プログラマに子供がいるなら一緒に読みたい本
本
今回は紹介エントリです。
12歳からはじめる ゼロからの Pythonゲームプログラミング教室
- 作者:大槻有一郎,リブロワークスPython部
- 発売日: 2017/05/11
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
先月位から Kindle unlimited を契約してまして、ちまちま本を読むのですが、お堅い本読んでるとたまに息抜き本読んでみようかなとか思うわけです。
で、親が教員であることもあり、どうかなーと思って拾って読んでみたら意外と良書。
何か広めたいなーと思ったので書いてます。
内容
- 内容: 画面表示を最優先に、CUI-GUI の出し方をまず学び、1マップRPG/簡易 ADV (紙芝居)ゲームまで説明してる。
- 深さ: コントローラを使うといった事はしていないが、画面上にボタンや選択肢を置いてポチポチゲーを作るまでは説明。
簡単なスクリプトまで用意していて、説明もしっかりしてるので、独自命令何かも説明範囲の知識でできない事はない。 - 作成内容のクオリティ: かろうじて静止画を読み込んで配置する位なので、3D云々を期待する昨今の子供が期待するレベルかというと微妙。
(というかそういう子供の期待するレベルを満たせるレベルで作る技量があれば、ゲーム業界でガリガリ作れやって話だが…) - 文量: Python 触ったことある開発者なら、読むだけなら 40 分で読み切れるレベル。実装しても1日かからないと思われる文量。
ただ、ツクールに頼らず簡単なツクールゲーを実装する位にはなれるかも?
どの辺が良いと思った
自分が見てていいなーと思ったのが以下
- 環境のセットアップが最短単純
初心者が真っ先に躓くポイント。多分一番躓きの少ないシンプル+スタンダードを貫いてる。 - 子供の一番やりたいこと(ゲームらしい物を早く作ってやりたい)を優先して、細かい概念や言語機能は極力触れない。
プログラマなら欠点にも見えるかも知れないが、「書いて直ぐ結果が出る」は初学者の導入には必須。
(なので言語としてのPHPは大嫌いだが、初心者導入用言語としてはいい言語だと思ってる) - 独自の「こんなこともあろうかとライブラリ用意しておきましたー」が無い
ゲーム開発本あるあるで、独自のライブラリを組み込んでゲームの必要概念を説明する本は昔からいくらでもある。
が、それを行ってしまうとプログラミングの入門者が「何それ?」ってなる上に、ライブラリが用意されなければ何もできないピクミンと化す。
しかしこの本、ド標準ライブラリしか使ってない。その姿勢はとてもよい。 - 使ってる言葉は 12 歳には少ししんどい → 逆を言えば親子で読むのに向いてる
ただしコレを子供に一人で読ませるのか?には少し疑問符。 - 写経だけじゃなくて、エラーが出た時、エラーの理由に関してもよくあるパターンの説明。
多くの本はこういう所説明してない。
気を付けるポイント
「拡張子」とか「フォルダ」とか、パソコンの一般用語ではあるが、それらが何の説明もなく出てくる。
そのため、親がパソコンを仕事でしか触らない程度の一般職だと、説明しきれない。
ここまでいうと「情弱じゃねーか」ってツッコミが来そうだが、日本一般人の情弱を甘く見てはいけない…
買ったPCに MicrosoftOffice が入ってないとクレーム入れる人間が多い位情弱国家なのだ…
なので、親子で読もうと思ったら、少なくとも パソコン検定4-5級程度の知識はあったほうがいい。 (PCがざっくりどんなパーツがあって、どんなデバイスがあって…とか、OS/アプリ、フォルダやデスクトップの説明、Windows の基本操作程度)