多発性硬化症のセミナー
MSCabin主催の多発性硬化症のセミナー行ってきました。
基本概要
原因は不明。自己免疫疾患であるといわれてるが確実ではない。
ウイルス性である可能性もいわれてるが証拠なし。
遺伝病ではない。二子でも発症するかどうかは運。
女性に多い。人種差が多く、欧米人に多い。
先進国高緯度に多い。伝染性はほぼない。
再発と寛解を繰り返す。病理的には多発性硬化症症候群といっていいらしい。
様々な障害が出るので個人差が激しい。
初期の頃ははよく回復するが、次第に回復が弱くなり、後遺症が多量に残るようになる。
治療
MRI等で確認を取ってから治療。
基本対症療法しかなく、再発予防を使う。
国の特定疾患に指定されている。
特定疾患は今では16000人超もいるらしい。
再生医療(IPS)はどう活用するかとかまだ研究段階らしい。まぁそうですよね、、、。
再発判定
新しい症状が24時間以上持続する場合。
悪いように感じてもウートフ現象とか、日内変動後遺症(しびれとか痛みが多い)の可能性がある。
症状だけでは再発判定は難しく、MRIで判定をかける場合が殆ど。
稀に MRI も正常で再発かどうか難しい場合もある。
発病のメカニズム
症状自体は脊髄や脳の脱随が発生する。
場所は何処で出るかは不明。神経の伝わる経路の何処かで病巣ができると症状として発生する。(逆に無症状の場合もある。)
MSはダメージが少なければ回復する。神経細胞の破損ではないのである程度回復する可能性がある。
神経の絶縁体(髄鞘)が伝導の拡散を防ぐが、免疫細胞がこれを攻撃してしまう。
名前の由来は、脳の白質を中心に病巣ができ、その部分が硬化することから。
診断
症状、様々な障害があり、個人差が激しいので、専門医でも判定が難しい。
診察、神経で異常見所があると思われるデータが出る。
検査、MRI/誘発電位、その他検査(血液、髄液等)でかなりの確率で見つかる。
それまで、原因不明扱いで、「疲れが出たのでは?」とか「自律神経失調症では?」と病院を歩き回る人もいる。*2
2010年から、新しい診断基準ができた。判断基準が簡易になり(ほぼMRIのみ)、迅速に処置に入れる。
日本ではまだ採用されていないが、こういった基準はおよそ3年といわれている(そろそろか?)。
ちなみに難病指定は、各自治体保健所で申請して、自治体の中で評価判定した上でGOサインを出す。およそ判定に3か月かかるらしい。また、それでGOサインが出るかどうかは、同じデータでも自治体によって違いがあるらしい、、、要は担当者の判定と、自治体の懐事情の問題だそうな。
治療
「MSガイドライン2010」なるものがある。
現在国内で使えるのは3種類、インターフェロン2種と飲み薬(FTY720)1種。
新薬(FTY)の方が効果が高いが、リスクとバーターになる。(内容としては、免疫系を体内に閉じ込めて、脳に行かないようにするらしい)
長期的な副作用とか例がなさ過ぎて不明らしい。
いずれも歳を過ぎると効かなくなるので、どれだけ早く判定されて薬を使うかが勝負だとか。
米では簡易基準で即治療できるが、日本はそれが無理らしい。また、米ではすでに8つの薬に認可が下りてるが、日本はまだ3つ。まぁ患者数が少ないのだからそうでしょうね。
セミナー参加者の様子
参加者17人ほど。
やはりというか、患者とその家族がメインで、治るのか?とかかなり聞きたそうにしていた人も居た。きっとネットで調べるとかできなかったんだと思う。
「まぁそうですよね」的に悟りの境地行って、もう一生付き合う覚悟を決めてた人も結構いた。
MSっても、個人差はあるが、フルマラソンやる人や自衛官等もいるようで、そんなに「難病」という単語に惑わされないほうがいいとのこと。*3
恐ろしいことに、指定難病からMSを外すか?とかいう動きもあるらしい。