技術をかじる猫

適当に気になった技術や言語、思ったこと考えた事など。

ビジネスダッシュボード 設計・実装ガイドブック(1)

読んでる書籍

各章単位の学びメモと、ざっくり概要+個人的まとめ

まずは第一章読んでまとめる

ダッシュボードに必要な要素と種類

ダッシュボードの目的は「ビジネスの課題を解決すること」。
売り上げ、利益、利益率、販売数、平均単価等の指標から課題を見つけて、アクションを起こしていくためのものという事。

  • 目的に直結するデータを揃える事
  • CSF*1ボトルネックを発見して意思決定できること
  • リアルタイムかつ継続的に見れる事

ダッシュボードには目的とタイプがある。

目的 モニタリング 戦略・方針立案 効果測定
タイプ KPIダッシュボード 分析用ダッシュボード 施策効果測定ダッシュボード

さらには、マーケティング、営業、販売、製造、人事によって各ダッシュボードのフォーカスが変わる。

KPI ダッシュボード

見るべき指標を観測できることが求められる。
指標は業界、部門で変わるが、売り上げやコストなどといった KPI を設定している者が多い。

KPI*2 ダッシュボードの目的はモニタリングなので、原因特定は求められていない。
状態を確認できることを第一にするダッシュボード構成を考える必要がある。

EC サイトだったら、売り上げやアクセス数、決済までの購買ファネル*3などを表示する。

分析用ダッシュボード

詳細を分析して、原因特定までできることを求められる。
特定条件でフィルタをかけたり、細かな粒度で指標を確認することで「売り上げが下がる原因」「商談数が増えない原因」などを解析する。

よくあるケースは、リード~制約 等の各ステージごとの企業数や、各ステージの時系列推移、次のステージへの遷移率等の指標があり、全体のサマリを確認できるようにする。

施策効果測定ダッシュボード

施策の前後での傾向変化を観測することを求められるダッシュボード。
KPIダッシュボード、分析用ダッシュボードでも施策効果の可視化は可能ですが、主に時系列変化に特化していきます。

ダッシュボードの普及した背景

  1. データドリブン*4の流れができた事。
  2. CS *5 や LTV *6、CX *7 等の、顧客視点が入ったことで、購入/契約 から、リピーターやファンを得る等、長く付き合う関係の構築に企業意識がシフトしてきた
  3. BI 等のツールの発展によって、可視化/分析が容易になってきたため
  4. 上記BIツールのスキルアップのための情報が増加した(Trail 等の学習方法や、資格、動画・書籍等、豊富になってきた)

尚、自分は現状 Salesforce(Tableau 派閥) ユーザではあるが、競合としては

  • PowerBI : Microsoft Office フレンドリ、Microsoft AI の機械学習支援あり
  • Qlik Sense : Qlik AI 分析サポートと、ドラッグ&ドロップ操作
  • Looker : Google (Looker Studio 含む) LookML による柔軟なデータ管理、WYSIWYG 操作、アナリティクス連携等
  • Domo : Domo WYSIWYG 操作やデータソースの豊富さ、AIによるアラート機能の設定等

なんて様々なものがある

ダッシュボードの課題

ダッシュボードが無価値化する要因のいくつか…

  • 使われないダッシュボードの出現
    • 使い方がよくわからず、使わなくなった
    • ダッシュボードを見ても、ビジネス上の課題が分からない、意思決定できない
    • ダッシュボードの目的が分からない
  • 要求定義/要件定義や設計の問題
    • データをグラフや表示にして、ダッシュボードをただ埋めてないか?
    • 情報を盛り込みすぎ
    • どんなデータがビジネスに必要か、精査されてない
    • 誰がどの様な業務の中で使うか、想定されていない
    • 誰に何を知って欲しいか想定されていない
  • データの構造や運用・サポート問題
    • 動作が遅くて調べるのに時間がかかる
    • データの更新が止まる
    • 追加すべき機能やデータが反映されない
    • 使い方が浸透してない
    • 掲載してる指標の意義が分からない
    • 使い方を誰に聞けばいいかわからない

これら問題は書籍の後半で議論するそうな…

所感

第一章は導入部だから、そこまで深い話はない…が、興味深い。
Salesforce で作ることばかり気にしてはいたが、機械学習やデータサイエンス分野には興味があるので、この本はビジネス関連書籍としてはアタリな気がしてきたw

第二章以降が楽しみだw

*1:Critical Success Factor : 重要成功要因

*2:Key Performance Indicator : 重要目標達成指標

*3:ファネル : 広く集客したうえで、ふるいにかけられた見込み顧客が、検討・商談、そして成約へ流れる中で段々と少数になっていくことをいう。その様を図にすると、漏斗で濾した様子に似ているところからそう呼ばれている。

*4:カンや経験ではなく、データをもとに判断する

*5:Customer Satisfaction : 顧客満足

*6:Life Time Value : 顧客生涯価値

*7:Customer Experience : 顧客体験