技術をかじる猫

適当に気になった技術や言語、思ったこと考えた事など。

駄文…というか予想

2019 年の SI 業界予想。

技術は置いておいて、大激変の年になるのは間違いない。

働き方改革」による、プロジェクト運営方法の変更だ。

コレは予測というよりも、やる・やらないの差が、ブラック企業/ホワイト企業をほぼ明確に分ける。
残業規制や有給の強制取得などが盛り込まれており、守らなければブラック企業(公式)扱いになるためだ。
現実問題として、人手不足という現状があり、その上で作業時間を減らす必要が出る以上、仕事の進め方そのものを変え(時間に対しての作業の質をあげるなど)なければ崩壊するか、ブラックに転落するかしかない。

必要なのは組織運営の見直しなのであって、現場に丸投げする様では、社員はきっと逃げるだろう。

この改革は王手のような巨大組織とそこに紐づく下請け SIer がおそらく暫くはブラックに近くだろう。
組織規模が大きいと変化が難しく、でも残業などは回せないから下請けに流す事になる。
下請けは作業量が増えるので、必然的にルールを守りきる事が難しくなる。
なので下請けは選択を余儀なくされるはずだ。

一度ブラックの称号がついてしまうと、中小に限って言えば、こと求人で言えばかなり致命的だろう。
存続も難しくなるはずだ。

blackcorpmap.com

昨今の新卒や転職社もこのサイトは大体知ってるし、考え方はシビアだ。
するとどうなるか?

  • 元請けに対応しきれなくなって下請け事業の撤退、もしくは規模縮小。そこに続く元請け化と内製。
  • 下請けがブラック転落、先細り、元請けも先細る。
  • 元請け共々働き方改革で協力して共に生き残る。

とても個人的な意見(偏見も多分にあるので、あくまで個人的見解)最後のケース望みが薄い…下請けの力関係みたいなものは体育会系の上下関係に等しいものが見える。もちろんそれが全てとは言わないが、体感的にそんなケースが多いように見える。
SIer の体質(というよりは巨大規模の体質)の変わらなさは個人的に見てもやばいレベルな気がする為だ。
加えて言えば出向を行ってる人貸し業も体質変更は死ぬほど難しい。一人一人体質を変えようにも貸し出して手元にいないのだから変えようがない。
(司令だけ渡してアウェーな現場でそんなの守れるわけもなく…度がすぎると退職者を産む)

逆に中小で内製企業は改革は行いやすい。そういう意味では住みやすくなる可能性は非常に高い(変化を受け入れられるならばだ)。
で、ここにきてどうなるかと言えば、だいたい方向性は見えてる。

  • WF/Agile などを適度に使い分けるようになる。

のは大前提だろう。
何か画期的な手法が生まれれば別だが、IT 本家米を見ても Agile 派生が幅をきかせてる位しか見えない。
画期的手法が生まれるというのは望み薄いと思う。
強いて言えば日本人の気質になった Agile にはなるだろうくらい。

WF は不測の事態への対応コストが高すぎて、こう変動期に全部 WF で回すなんて悲惨な未来しか見えない。
規模が小さいからこそ、意思疎通コストの低さを生かして、小さく立ち回れる利点がある。
当たり前だがWFの方が向いてる仕事もある。人命がかかるとか、何を置いても確実性が必要なケースだ。

  • 規模の大きな開発系企業から、IT のアウトソースが減り、内製にシフトし始める。

これも結局同じ流れ。
アウトソースして出来上がったシステムが出てくるのは数ヶ月後、結局うまく最新の局面にマッチしなくなる。
結果として、Agile の様に現在の状況に即した開発に切り替わるが、Agile だとすると要するに開発チームを囲い込む状況に近くなる。
ならば内部で開発チーム置いた方がコストがよくなるという発想だ。

SIer は怖れよ、コレには実例がある。
カイゼン・ジャーニー発刊1周年記念イベント「私たちのジャーニー」 - DevLOVE | Doorkeeper

稼働率100%男が、稼働率100%をやめるジャーニー」というセッションがそうだ。
スライドが見つけれないのが痛いが…

結局こうなるのではなかろうかという予想。

コアな領域では、企業はエンジニアを雇いたがる。そして技術継承も踏まえ、改善しながら持続させる方針をとるはずだ。
一方で、日本は人手不足。小さい開発を行うにしても人手がたらなくなる。
しかしこの小さな開発の為だけに、人員を増やしてしまうと、その後に解雇もしづらく問題になる。

結果として、その隙間を SIer が埋める事になりうる。

今現在 SIer なので、SIer 視点で考えれば

  1. 需要はなくならない、しかし大口の開発は減る。
  2. つまり、大きな規模としての SIer はその規模を縮小せざるを得ず、中小 SIer もその数は減じる。
  3. 中小企業では、ICT 人員を雇う事事態もままならず、これも SIer 頼みになる。

つまり SIer は小さな開発をたくさん受けるような業態に落ち着く。
「売り上げ = こなした数」となるので、人貸しでは稼ぎにならず、社内に仕事を引っ張り込んでパイプラインんぼごとく(リーン)開発するのではなかろうか?