会社について
法的には会社法による「法人」と考えるのが正しく、会社の形態は主に以下
- 株式会社
普通一般の会社。所有と経営を分離した組織。
会社を所有するのが株主で、出資した責任を負う代わりに配当金をもらう。一方で会社の経営には参加せず、株主総会での重要事項を決議していく。
経営陣は 取締役会、会計参与、監査役、監査役会、会計監査人、委員会があって、定款 1 の合意の上で設置していく。 - 持分会社
株式会社以外の以下のパターンの会社。
尚昔あった「有限会社」は法律上は既に存在しない。
経営組織
典型的組織構造は以下の物がある
- 職能部門別組織
営業部門、仕入部門、製造部門、経理部門、人事部門など、職能によって区分けされた組織。
ごく一般的組織。 - 事業部別組織
エリア、顧客、製品別を単位に組織分割する組織。
各組織を独立採算にするなど、自己完結が可能な組織構造。
指揮命令系統が一元化されてるメリットはあるが、専門技術を持った要員が各部門に冗長配置されてるなど、全体最適化ができず、セクショナリズムに陥りやすい。 - SBU(Strategic Business Unit)
戦略的事業単位にプロジェクトチームを作る組織形態。
構成員が複数のチームに所属することになるので、指揮系統のコンフリクトが起るケースがある。 - カンパニー制組織
事業部別組織に部門の独立性、市場原理まで持ち込んだ組織体制。
社内分社制、疑似会社組織とも言う。
要するに外側は同じ会社だけど、中は複数の小さな企業で競い合ってる的な状況。 - 持株会社
複数の企業の株主企業で、そうした企業を統括・管理する企業。
自らは事業を持たない。
独占禁止法の兼ね合いで、1997 年まで日本では禁止していた。
○○グループ企業とかはこの配下企業。 - 委員会型組織
各部門の代表者を集めて定期的に会議形式で話し合う組織形態。
合議制で、問題の発見などは早いが、全体の素早い方針転換などには向かない。 - 執行役員制
経営管理と、事業の執行機能を分離した企業。
役割と責任の所在が明確になっている。
CTO (チーフテクニカルオフィサー)とか CIO(チーフインフォメーションオフィサー)とかあるのはこの手の企業。
経営戦略
「売上 N% アップ」を経営目標とすると、「目標達成のための手段」策定が経営戦略。
そこに「いつ・だれが・何を」を割り当てて行くのが計画。
有名どころで以下のものがある
- アンゾフの経営戦略
市場(既存/新規)と製品(既存/新規)のマトリクスを作成し、現在自社の置かれている状況を分析し、どの方向へ舵を切るか決定していく。
製品(既存)+市場(既存)=市場浸透戦略
製品(新規)+市場(既存)=新製品開発
製品(既存)+市場(新規)=市場開拓
製品(新規)+市場(新規)=多角化 - Product Portfolio Management
切り口が「市場成長率」と「市場占有率」の割合で分布を作って、どこを目指すかという話。
高 金のなる木 花形 占有率 負け犬 問題児 低 高 成長率
基本的な戦略の建て方プロセスは
- 3-5 年の経営目標を立てる
- 外部環境、経営資源(内部環境)の抽出
- SWOT分析 2
- CSF(重要成功要因)の抽出
- CSF を達成するための方法≒経営戦略(このときコアコンピタンス 3 も実施することが多い)
事業分析には以下の段階がある。
ちょっと増えすぎて来たので個々の詳細は明日。
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Strength (自社の強み) Weakness (自社の弱み) Opportunity (機会:外部環境) Threat (脅威:外部環境)
の分析。 ↩ -
企業独自のノウハウや技術で、これが利益の源泉になるもの↩
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外部環境の分析手法。P=Politics:政治、E=Economics:経済、S=Society:社会、T=Technology:技術の分析↩
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企業内部の経営資源を次の 4 つの視点から分析する方法。Value:価値, Rarity:希少性, Imitability:模倣可能性,Organization:組織 の意味。↩
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企業の活動を、“モノ” の流れに着目して 5 つの主活動に分け、さらにそこに 4 つの支援活動を加えて分析する考え方。↩
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Customer(市場・顧客)、Company(自社)、Competitor(競合)という3つの「C」について分析する方法↩