技術をかじる猫

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読書:敗者のゲーム(3)

この記事

「敗者のゲーム」を各章単位でざっくりまとめていくよ。
前の記事たち

5, 6 章分です。

五章 「ミスター・マーケット」と「ミスター・バリュー」

マーケット(市場)とバリュー(企業収益と配当)をキャラクターとして表現している章。
マーケットは変化に富んで興味深い対象で、皆注目する。
一方で、バリューは軽視されがちだ。

いたずら好きのミスター・マーケット

市場は浮き沈みが激しく、投資家(トレーダー)を翻弄する。
一方でバリューは黙々と仕事をして、配当を配る。
長期的にはバリューは市場に勝つ。

長期投資を考えるなら、一次的な市場の上下に振り回されてはならない。
実態としての企業への投資、企業収益と配当に注目せよ。

市場の大まかな動きは、歴史から学ぶことができる。
これまで株式市場がどう動いたか学べば、市場の本質が分かるし、今後の方向も分かるようになる。

株式市場と「平均への回帰」

PER*1 が高い物はそう長く続かず、利益と PER が極端に上昇なり下降なりすると、以降で下落なり上昇なりの圧力になる。
結局平均がどこかにあって、長期間の軸で見れば平均に回帰する。

時流に乗った企業というのもあるにはある。
短期的にはこのような動きもあるが、これらも企業である以上、その株価の流れは他の企業とさして変わらないとのこと。

そのため、一番危険なのは、投資に夢中になりすぎて短期的視野で動いてしまう事。

個人的感想

アベノミクス当初も期待感だけで、実態以上の株価の上昇局面はあった。
確かに浮き沈みは激しい…その後の金融緩和で株価は上昇し続けはしたが…

「平均への回帰」に関しては、GAFAM は市場で支配的になり過ぎている感はある…。
NASDAQ 上ではこれらは「我こそが市場だ」と言わんばかりの様相まで呈している…この本が出た後にこんな企業が出てるので、やはり市場は水物と見るべきか…?
それとも長期視点ではこれら企業も平均に回帰していくのか…(平均が高いまま生き残りそうではあるが…)

興味は尽きない

六章 インデックス・ファンドは投資のドリームチーム

個人がプロ(の作り上げる相場)に勝ちたいとか100年早い。

市場を反映するインデックス・ファンド

インデックス・ファンドは市場を直接反映する。
今の市場相場を作っているのは投資のプロ共。
インデックスファンドは市場を反映している。
→ プロたちの総和ともいえる

そもそもプロ同士が揚げ足取りのガチバトルをしてる所に、個人で入って平均を超えようというのが間違い。
プロですら過度な楽観、過度な悲観ムードで間違える局面はある。

敗者のゲームに参入すべきではない。

ウォーレンバフェットの教訓

ウォーレン・バフェット*2も「誰もがインデックス投資すべき」と主張する。

  • 税金が安い(アクティブファンドほど頻繁に売買しない)
  • 手数料が安い(機械的なルールで運用するから)
  • 運用コストが安い(同上の理由)
  • 心の平安:マネージャが変わって手法が変わるとか、時代の変化に取り残されるとかがない

投資で成功するために適切な資産分配をしよう

投資の成功は明確な運用目的に基づく適切な資産分配から生まれる。

  • どこでリスクを取るべきか確認し
  • 目標達成のためのポートフォリオを作り
  • 絶えずリバランスし
  • 計画通りに進んでいるか検証する。

個人的感想

因みに自分の感想としては、インデックスファンドにも種類があるんだよなぁ~と(悪
例えば 2022 年はウクライナ戦争を背景に原油高が続きましたが、この影響でエネルギー関連企業の株価は大きく上がりました。
そこで、S&P/Daw/NASDAQ が下がる中、VDE (ヴァンガード・エネルギー株 ETF)は大分上がっていて、ここで少し儲けさせていただきました(汗

今年の参入はもう遅いと思いますが、OPEC+が原油生産制限したことで5月から9月にかけて上がってますね。
どっちも年間程度の短期イベントなので、長期保持してプラスになるかは怪しい世界ですけど。

しかし一方で、標準的なインデックスにも積み立ててもいますので、方針としてはやはり間違ってないねというのが実感できる章ですね。

*1:一株当たりの収益に対する、株価の倍率

*2:バークシャーハサウェイのCEO。伝説的株の神様