技術をかじる猫

適当に気になった技術や言語、思ったこと考えた事など。

ぶっちゃけ会計のことがまったくわかりません(3)

概要

white-azalea.hatenablog.jp

コレの続き、今度はB/S*1

知識ゼロでもサクッと決算書を読めるようになろう(2)

今回はバランシートに関する内容。

企業の「体質」が見えるバランスシート

左右で「資産:負債+純資産」を表示し、合計値が同じになる。

  • 資産
    会社が保有する資産の総額と、内訳がざっくり分かる資料。
    種類を勘定科目(現金、商品、建物等)で表す。
  • 負債/純資産
    • 負債: 社外から借りている資産
    • 純資産: 返済不要な会社の持ち物

B/S には会社の体質が出る…人間の体質改善が即座に出ない様に、会社も劇的に変わることが中々ない部分。

なぜ?左右がバランスする理由

「資産-負債=純資産」なので、右辺移動するだけで「資産=負債+純資産」となるから。
純資産には「利益剰余金」が存在する。

  • 利益剰余金: P/L 上の最終的な利益「税引後当期純利益(もしくは損失)」を B/S に持ってきて、前年までの利益剰余金に合算したもの

例えば

  • PCを購入した: 現金資産は減ったが、同額のPCという資産が増えるので、バランスシート上は左右バランス変わらず。
  • 光熱費を払った: 現金資産(左辺)が減るのと同時に、右辺も純資産(利益剰余金)が減るので、バランスシート上は左右バランス変わらず。

こんな感じで左右のバランスが取れるので、バランスシート。

「資産」の中身を見てみよう

資産の分類

  • 流動資産   短期で手放す資産。1年以内に動く資産のこと。
    売掛金*2、現金、商品、棚卸資産(原材料等)
  • 固定資産
    • 有形固定資産
      建物や土地、車両など。
    • 無形固定資産
      ソフトウェア、商標権、特許等
    • 投資等
      名前の通り
  • 繰延資産
    支出の効果がその支出の日以後1年以上に及ぶもの。
    会社設立時にかかった創立費や、営業開始までに支出した開業費など

「負債」と「純資産」を見てみよう

  • 負債
    • 流動負債
      1 年以内に支払う必要のある負債。
      借入金などな年内借入金等。
    • 固定負債
      返済猶予の長い負債。
      銀行などからの長期借入金等。
  • 純資産(自己資本ともいう)
    • 株主資本
      • 資本金
        会社設立時に準備するお金。
      • 資本余剰金 会社設立や増資の際の株主の出資金のうち、資本金として設定しなかったもの。
        資本金の 1/2 を超えない範囲で設定する。
      • 利益剰余金
        開業後、ビジネスが起動に乗って出てきた利益の積み重ね
    • 評価・換算差額等
      当期の損益に反映されない資産や負債にかかる評価差額を純資産に計上するための区分。
      時価評価の含み損益を損益には影響させずに純資産の評価・換算差額等で調整して、税効果会計を適用させるために使う。
    • 新株予約権
      事前に決めた価格で株式を買うことができる権利。

※ 新株を発行すると、新株予約権は減少するが、権利行使の払込金が入るので、資本金となる。この辺 に詳細があった。

株主や資本家は運命共同体

株主や投資家から集めた金は、「純資産」に入る。
会社的には、株主から集めた金に「返済義務」はない。

ただし経営者は「配当」だったり「株価を上げる」等の還元できるよう努力する必要がある。
…というかそれが無ければだれも株を買ってくれない。

債務超過」ってどういう状態?

資産を全部売り払っても、負債が返せない状態のこと。
バランスシート上では、左右のバランスは取らなければならないので、例えば

  • 資産(バランスシートの左側) 10 億
  • 負債12億
    • 負債 10 億分
    • 負債 2 億 + 純資産(利益剰余金) -2 億

の様に計上されることになる。
債務超過→倒産」と思われがちだけど、即座にそうなるわけではない。
債務超過の状態でも営業を続ける…所謂「自転車操業」状態を意味する。

上場企業なら、1年続くと上場廃止になったりはする。

債務超過(借金の方が、個人総資産より多い状態)という意味では、住宅ローンとかも債務超過と言える。なにせ、住宅価格が購入時金額で売れることは稀なので…。ただし、住宅ローン金利は安いので、敢えて一括で払わず住宅ローンを組んで投資している人もいるので、債務超過してない人もいる。

ニュースでたまに見る「のれん」ってなに?

企業の目に見えない収益力を「のれん」と表す。無形固定資産に分類される。
M&A したときの買収価格と、買収された企業の純資産の「差」等のこと。

日本の会計基準では、のれんに関して「20年以内の検討割で償却する」と決められている。
買収時の暖簾が5億なら、毎年 2500 万づつ資産価値が下がり、20年後にバランスシートから消えることになる。

一方、IFRS*3では、毎年企業狩の見直しがあるので、買収企業の価値がないと判断されると突然 0 扱いもあり得るという…。

所感

インデックス投資家なんで、FRB のバランスシートとかちょくちょく眺めてたので、違和感は沸かないですね。
(金融政策とか、国の財政関連なので、企業のとはまた違いますが、金融緩和で作ったバランスシートの膨れ方をどう解消するとか、経済指標には大分影響がある)

企業のバランスシートを見ると、現在の状態が見えてくる…健康診断と言って良いかもしれない。
これで個別株も内容が読みやすくなった感がありますね。

*1:バランスシート

*2:売掛債権ともいう。逆が買掛金(ツケ払い)で

*3:会計の国際基準