技術をかじる猫

適当に気になった技術や言語、思ったこと考えた事など。

ぶっちゃけ会計のことがまったくわかりません(4)

概要

white-azalea.hatenablog.jp

コレの続き、今度はキャッシュフローと、決算書の見どころ等。

知識ゼロでもサクッと決算書を読めるようになろう(3)

黒字倒産はなぜおきる?

会計に「発生主義」が導入されたことで、「利益」と「現金」にずれが発生してしまうため。

  • 売掛金 500 万(未回収)でも 500 万の黒字計上にはなる…しかし現金ではない。
  • 高額なPCを買ったが、現金 50 万は消えたものの、償却資産なので初年度は 10 万か買った扱い、全額計上できない…
  • 過剰在庫を抱えてるけど、「資産」だから赤字が見えない…

等、実際の利益と現金に差が出て、現金がショートする場合がある。

このような状況を防ぐために C/S (キャッシュフロー計算書、平たく言えば資金繰り計算書)も必要になってきた。

C/S は「3つに分解」すれば読める

こっちは現金か現金同等物で計算する。

これらを集計して

CF からわかる「6つの物語」

  • 常にプラスで居てほしいのは 営業CF
  • 成長企業なら、投資CF は投資が多いのだからマイナスになる。
  • 財務CF はお金を借りるとプラスに、返していればマイナスになる。

そこから6つの状態に分類できる
3 つは「営業CF」「投資CF」「財務CF」とすると以下の様に分類できる

  1. +-- : 本業が儲かって、投資も旺盛、借金を返済している(我が世の春)
  2. +-+ : 本業が儲かって、投資も旺盛、借金はしている(成長中)
  3. ++- : 本業が儲かって、投資余地が少ない、借金は返済中(成長の余地が少ない?)
  4. -+- : 本業赤字、投資余地も少ない、借金は返済中(斜陽産業?資産売却で本業赤字を補填してるかも)
  5. -++ : 本業赤字、投資余地も少ない、借金増加(危険信号、ひたすら現金をかき集めてる状態かも)
  6. --+ : 本業赤字、投資してるけど、借金も増加(余命宣告、投資もやめられず、頼みの綱は投資家だけ)

ただし、6 はスタートアップ企業でも同様の状態になってしまうので、どちらなのかは見極めが必要。

財務と税務の決定的な違いって?

財務会計税務会計はポリシーが違う:

  • 財務会計の考え方が「悲観的で現実的な数字を出す」(保守主義)
  • 税務会計は「こんなことが起こりそう」ではなく「起こってから言え」と確定した物だけ扱う。

なので、例えば「不良在庫」なんかは、財務的には「ハケる事ができない在庫だよね?評価下げよう」ができるけど、税務だと「在庫は在庫だ。損失になってから計上しろ」となる。
こうしたポリシーの違いで倒産するケースがある。

例:
交際費…仮に 1 億交際費にかかったとして、財務的には 1 億を交際費として計上できるけど、税務で中小企業だと年間 800 万円等のルールがある。
すると 9200 万は損金の扱いにならないので、経費扱いにできないから法人税がかかってしまう…結果 3000 万位持っていかれて、資金がショートする…

財務と税務で、言い方や計算方法まで違うものがある

  • 貸倒引当金繰入額: 売掛金の 3% 位はどうせ帰ってこないのだから、先に費用として計上しておく科目がある…等

本物の決算書を見てみよう

  • 財務諸表の点検ポイントは、「純資産の合計と、負債のバランス」「利益余剰金」など限られる
    • 純資産の合計がプラスになっているか? → 債務超過してないよね?
    • 利益剰余金が黒字になってるか? → 本業で儲けがたまってるよね?

包括利益計算書 等がある場合、為替変動等によって「その他包括利益」に入り、当期純利益と合算したものが「包括利益

  • 投資目的なら「有報*1の前文」に答えがある
    • 「企業の状況」という最初の章の、「主要な経済指標等の推移」という項目に、財務諸表の主要な数字と、投資家向けの財務分析が入ってる。
    • 次に大事なのは「事業の状況」で、市場、成長戦略、数値目標が入ってる。
    • 財務諸表より後ろは大体備考

所感

四季報をどう読むか実はよくわかってなかった為に、個別株とか敬遠していましたが…
なるほど少しづつ個別株に手を出してみるのも面白そうですね。