ぶっちゃけ会計のことがまったくわかりません(5)
概要
コレの続き、第3章。
簿記の基本
「借方」「貸方」ってなに?
複式簿記が生まれたイタリアでは、銀行の慣習として下記の様に記載した。
- 帳簿の左側には、銀行から借りた人とその金額
- 帳簿の右側には、銀行にお金を貸してくれた人と金額
左が借方(Debit)で、右が貸方(Credit)。
「借方」「貸方」は常に同額
銀行から 100 万借りたとすると、仕分けにはこんな感じで記録する
- 借方: 現金100万
- 貸方: 借入金100万
複式簿記なので、事象と、現状を分離して記録している。
そしてどんな名目のお金なのかのラベルを「勘定科目」、ラベル付けを「仕訳」。
「勘定科目」には定位置がある
会計の 5 要素「資産」「負債」「純資産」「収益」「費用」にざっくり分類できるが、勘定科目はこれらのどれかに属する。
よく使う仕訳は「10パターン」だけ
よく使うものは 10 種類、組み合わせで 25 パターンは論理的にはある
- 借方
- 増加の区分
- 資産増加
- 費用増加
- 減少の区分
- 負債減少
- 純資産減少
- 収益減少
- 増加の区分
- 貸方
- 資産減少
- 負債増加
- 純資産増加
- 費用減少
- 収益増加
よく使う仕訳は「借方」「貸方」セットで
- 資産増加(現金) / 負債増加(借入金) : 銀行借り入れ等
- 資産増加(現金) / 純資産増加(資本金) : 資本金を入れる
- 資産増加(固定資産) / 資産減少(現金) : 固定資産を購入
- 資産増加(現金) / 収益増加(売上) : 商品を売る
- 費用増加(給料) / 資産減少(現金) : 給与を払う、経費を払う
- 負債減少(借入金) / 資産減少(現金) : 借金を返す
- 費用増加(仕入) / 負債増加(買掛金) : 買掛で仕入する
- 負債減少(買掛金) / 負債増加(支払手形) : 買掛金を払う際に、手形を振り出す
- 負債減少(前受金) / 収益増加(売上) : 前受金の取り崩し
- 純資産減少(自己株式) / 資産減少(現金) : 自己株式の取得
因みに、借方/貸方はマイナスでは記載しないので、タクシーの経費等を記述するとこんな感じになる。
- 【借方】交通費 1000 円 / 【貸方】現金 1000 円
というかぶっちゃけバランスシート(貸借表だからね)
試算表を経て財務諸表になる
- 仕訳した内容は、「総勘定元帳」の方に 5 グループごと、かつ勘定科目単位で記載していく
- 試算表(T/B *1 仮の B/S, P/L みたいなもの)で仕訳帳から総勘定元帳に転記ミスがないかを確認
- 合計試算表 : 借方/貸方の合計が一致するかを計算する試算表
- 残高試算表 : 合計試算表ができたら、借方/貸方の左右に分配する
- 合計残高試算表 : 合計試算表+残高試算表 から作成 ≒ 財務諸表
- 財務諸表を B/S と P/L に分離して完成。
簿記の資格では何をを勉強する?
- 3級 : 商業簿記、財務会計のこと。仕訳、総勘定元帳や試算表づくり。(1週間位がっちり勉強する位の難易度らしい)
- 2級 : 工業簿記。主に原価計算と、工業簿記用の B/S, P/L の作り方、連結決算等。(宅地建物取引士、プライベートバンカー、米国税理士と同じランク)
- 1級 : 上位難易度、C/S 等も入ってくる。(難易度的には、経理のプロ、社会保険労務士、行政書士みたいな資格と同格)
所感
仕訳…要するに記録のやりかたから、その集計までの流れですね。
集計周りが書籍でもかなりざっくりなので、そこの部分は別途調べて覚えておきたいところ…。
*1:Total Balance