技術をかじる猫

適当に気になった技術や言語、思ったこと考えた事など。

ぶっちゃけ会計のことがまったくわかりません(8)

概要

white-azalea.hatenablog.jp

コレの続き、「らっくらく♪ファイナンス理論のキホンを知ろう」の章の自分的まとめ。

内容

かならず覚えたい「貨幣の時間的価値」

  • 貨幣の時間的価値:
    今の1万円と、10年後の1万円の価値は違うという意味。

貯蓄スキーな自分には当たり前だよねとスルッと入ってきた…。

投資の話なので、全世界株(年利約 5 %)で考えてみます。
10,000 円を投資したと仮定して、1年後で 10,500 円、2年目で 11,025 円と増えていき、10年後に 16,288.95 円(約 63 % 増加)となります。

これが将来の価値になります。

  • 複利
    そして上記を見て、10,0005 % 増加で最初に 500 円増えるのは誰でも理解できますが、2 年目で 1,025 円増えてることは案外分かってもらえません。
    これは福利と言って、1年目で増えた 500 円にも、5 % の増加がかかって +25 円増えた訳です。
    これは、投資でよく目にする概念です。

投資で将来の価値は以下の式で計算可能です


FV=PV\times(1+r)^n  \\
FV=将来の価値 \\
PV=現在の価値 \\
r=利回り(\%)\\
n=年数

この時 r を期待収益率とも言います。
逆に現在の価値に直すなら、式変形してこう書くこともできる。


PV=\frac{FV}{(1+r)^n}

書籍からは離れますが…

日本人の複利の正答率は 39 % でした(金融リテラシー調査 2022 年)。
そして、この複利は、借金にも適用されます。
例えばクレジットカードのリボ払いは大体 15 %(毎月 1.25 %) で、計算すると、100,000 円借りて毎月 5,000 円返却すると仮定します。
最初の支払したときの残高は


初月支払い後の残高=(100000-5000)\times1.25\%=96,187.5

5,000 円返したけど 9,500 円にはならないのですよね…こんな感じで支払い負えると、9,142 円の利息を余計に支払う事になります。

最近は物価高がありますので、別の見方もしてみましょう。
例えば日本の消費者物価のインフレ率目標は 2 % なので、この通りにインフレしていくと仮定するなら、今 10,000 円 の商品は来年 10,200 円に値上がりしてることを意味します。
仮にこれが 10 年続くと、この商品は 10,20010,404 → ... → 12,189.94 円と10年後には約 22 % に上がっています。
商品、物価の値上がりに対して、1万円という現金の価値は下がったと言えるわけです。
(デフレでは逆の事が起きます)

これに対して、銀行金利などは最低金利状態なので、年利 0.002 % とかです。
10,000 円預けて 20 円とかですね…物価の値上がりに追いついていないからこそ、預金しても無駄無駄無駄無駄…
で、株などインフレに追従する傾向があるために、皆投資だってことになるわけですね…。

「DCF法」で投資判断をしてみる

例えば機械を購入するとき、経営や財務は「導入したらどれ位CFが生まれるか」と想定する(※利益ではない)。

  1. 初年度 300 万、2年目 1,000 万、3年目で増産し、1,500万…4年目からは 2,000 万と予測する
  2. ここで4年後の 2,000 万というのが今の価値と同じかを考える。

単純に足し算すると


300 + 1000 + 1500 + 2000 = 4800 万

仮に利回りが 4% とするなら、現在価値の計算をすると


\frac{300}{1 + 0.04} + \frac{1000}{(1 + 0.04)^2} + \frac{1500}{(1 + 0.04)^3} + \frac{2000}{(1 + 0.04)^4} = 42561206.72 = 約 4256万

これをDCF法というそうな

これを投資するかどうかの意思決定は、「今計算した現在価値が投資額を上回るか」。
NVP(Net Present Value: 正味現在価値) = DCFでの価値 - 投資金額
という言い方もできる

上記で使った利益率 4% といおう数字は「利息や配当を払うために、会社に求められている収益率は何パーセントか?」で計算する。
これを WACC (加重平均資本コスト)というそうです。


WACC=負債コスト+株主資本コスト \
=(1-実効税率)\times\frac{負債コスト\times実利子負債}{有利子負債+株主資本}+(\frac{株主資本コスト\times株主資本}{有利子負債+株主資本})

無借金経営が優れている訳ではない「MM理論」

  • MM理論: 法人税がかからない状態においては、資本がどんな構成(借金等がどんな割合でも)でも企業価値は変わらない

企業価値は、「債務者が出した金と株主が出した金の合計」であるからというのがその理由。
だから極端な例としては、無借金で株主から100億集めた会社と、借金で100億集めた会社の企業価値は変わらない。

場合によっては「借金で資金を調達」した方が企業価値が大きくなるケースがある*1
理由は、配当コストの方が利息より高いから…*2

加えて、銀行に払う利息は「費用」で計上出来るので、法人税の節税効果がある…

感想

投資、借金にかかわる範囲についての内容です。
というか「貨幣の時間的価値」周りは個人的に書きたいことが多すぎたwww

書籍からかなり脱線しましたね…。

*1:修正MM理論

*2:銀行は貸した金が返ってくる前提があるけど、株は紙くずになるリスクがある分、金利が銀行金利と一緒では株主が納得しないから。この追加分を「リスクプレミアム」という