販売管理(2)
製品を販売したとき、売上が上がるのは 販売管理 の通りなわけだけど、同時に 売掛金 *1 が発生すると。
でそんな債権を管理するのが 債権管理 ってことですね。
で、取引先には定期的に請求書を発行して、請求を行う( 請求締め処理 )。
その後入金されたら 入金処理 して、入金消込処理 を順次行う。
債権回収が足りなければ、売掛金情報として再請求として処理する。
請求締め処理
信用取引してると、契約開始時に締日(月末締め、翌月末払いなど)のように、請求をまとめ、請求する(請求締め)タイミングを決定する。
よくあるパターンなら 「毎月 21 日に、前月 20 日から 21 日までの取引をまとめて請求、支払い期限は翌月末まで」と言った具合。
会社によっては、月に複数回締めるケースは存在する。
その場合、請求締めは月に何回も行うケースがある。
例えばお客さん毎に締め日が異なる等の場合が考えられる。
「初月は期間が短いので翌月に併せて請求(翌月回し)」なども考慮したい。
請求書発行処理
請求締めの一環…システム的にはPDFが妥当だと思う。
請求明細を発行する他、場合によってはそのまま送信や、封筒印字(郵送時)なども行う。
尚、法律上プリントアウトする場合は、2枚発行し、1枚は保存義務(控え分。経理の処理対象)がある。
指定請求書*2 なんかも考えておきたい。
入金処理
請求書を送付したら、取引先は通常であれば支払うよね?(支払い方法は契約時決定)
で、この時債権が消滅して取引完了になる。
現金回収時や、取引先へは必要に応じて領収書を発行する必要もある。
入金消込
入金があった取引で、売掛金の消込処理を行い、残りの債権*3を把握する。
システム化するなら入金入力時にどの取引への入金化を関連付けして、取引が「入金済み」であることを把握できるようにしておく。
ただ、この消込は入金と請求の対応付けが難しいケースがある。(例えば複数の請求をまとめて入金された場合等や、請求先と振込先名義が違うなど…)
また、振り込まれた金額が合わないケースなんてのもある。
なので、システム的にはルールを設定して自動消込を行うようにできたほうが良い。
(不足してれば自動催促メールとか…)
発注
商材の入手、ないしは材料等を注文*4すること。
ただ、注文時点ではまだ確定していないこともあり、会計帳簿に記録する必要はない。
なので、その方法は 受注 のときと同じで、好きにできる。
発注方法は伝統的に、「定期発注方式*5」「定量発注方式*6」がある。
発注量も 経済的発注量*7 なんてのがある。
発注点 = (平均調達期間 * 1日の平均需要量) + 安全在庫
逆に購買にルールがあるなら、「計画購買*8」「発注点購買*9」「スポット購買*10」に分けてインターフェースを用意しておくと、発注自体もある程度自動化できる。
業務処理統制
仕入れや買掛*11につながるデータなので、色々リスクがある。
- 業者選定は適切か?
- 発注先から賄賂とかない?
- 判断間違ってるリスクはない?
需要予想
発注するということは当然発注数量も決定するわけだけど、
- 在庫の量
- 見込み生産の原材料
- 契約情況
- 例年の売上状況
等から、発注量を決定しておかないと
- 発注多すぎ余った → 不良在庫
- 突発的な受注が受けれない → 機会損失
なんてあるわけで、いつどれくらい売れるのか?を予測しておく。これが 需要予想 というらしい。
予測モデルは
- 移動平均法
今から1週間、明日から1週間等、一定期間の需要量を計算して、その傾向から次の1週間等の需要量を予測する方法。 - 指数平滑法
移動平均法のより直近のデータを重視(バイアスをつける)モデル。 - 線形回帰モデル
グラフにして近似線引いて、次の需要を予測。
因みに線を引く場合最小二乗法等で自動で計算もできる。 - 傾向モデル
- 重回帰分析
多変量回帰モデルの一種。こっち参照 - AI活用
RNN とか LSTM 使って、次の需要を予測する方式。
DeepLearning での予測アルゴリズムを載せたが、他のアルゴリズムでも良いかも知れない。
などがある。
仕入
発注した商品が送られてきて、受領すること。
このタイミングで、会計処理と在庫の計上を行う。
大体こんな機能が必要になる
- 仕入管理
- 在庫処理等
購買方法等には
債務管理
信用取引するってことは極論すれば借金するってことな訳で、ならどこから幾ら分の借りがあるか管理しなきゃって話。 勘定項目上は、仕入=買掛金、固定資産・事務用品・消耗品=未払金で計上される。
販売に締め処理があるように 支払締処理 もある。
- 支払予定表を作成
- 請求書との突き合わせチェック
- 支払処理(≒支払い。銀行振込等)
- 支払消込処理(支払い記録をつけて、未払い金額記録の抹消)
と、この辺が基本のやり取りやね。
販売管理
取引開始時
企業間取引はおおよそ「掛取引[^1]」が一般的。
「信用取引」とも言うけど、取引先を信用してないとできない形式だから。
- 信用調査
相手企業の安定性等を調査して、与信限度額(どの程度支払い能力があるかによって設定される、許容取引額)を設定する。
帝国データバンク等の民間信用調査会社もある。 - 売買契約書締結
売買契約書を作成する…そのままやな。
初回取引開始時に、基本契約書を締結して、後は商談単位で個別契約書や覚書・注文書を作る事が多い。
通常紙面で契約書を作成する場合、2部作成して両者押印、何らなら印紙[^2] して一部づつ持つことが多い。 - 取引先登録
与信限度額を設定して、各種契約条項含め、取引先を登録する。
IT 的には、不正な登録はないか?二重登録されないか?取引先に関する情報で取引条件[^3]や与信等の値が適正か等をチェックするのがよさげ。
受注
注文を受け付けること。この時点では会計帳簿には乗らない。
財務会計関係は法律が多いが、特に記載のある業務ではない。
一応、民法で言うところの契約行為には該当する[^4]…
なので、一応受付方法は自由。
どれだけビジネスにあったものを提案できるかがエンジニアに期待される所っぽい。
注文は、出荷~売上計上等にタイムラグがあるので、その間の管理(注文残管理)は留意点。
内容は最低限
- 取引先情報
- 取引条件[^3]
- 納品場所
- 納期
- 注文品情報(品名、品目、数量、単価)
- 税率
- 送料
業務処理の統制
受注業務の間、不正な情報の操作があっても、これは財務諸表に出て来ない。
とはいえ、売上につながる部分なのできっちり統制しておきたい。
注文書のチェックや承認フロー等は設定しておきたい箇所。
この時点で現在在庫数や受注可能数などは調べておきたい。
あると便利な機能郡
- 在庫引当
受注が確定するなら、在庫の確保が必要になる。
そこで、このタイミングで受注可能数等を更新する。
ただし、在庫場所が複数ある場合や、ロット単位の引当がある場合など複雑な場合も多いので、物によっては自動引当ではなくて受注入力時に都度入力させるなどを検討したほうが良さげ。 - 後継品、代替品、類似品の検索機能
在庫が切れたり、切れそうな時に変わりのものを案内しやすいようにしておく仕組みとして有効。 - 直送発注入力
仕入先と直送の契約している場合、設定できると便利。
受注確定時に自動発注等も有用 - 与信限度額の確認
信用取引なら取引先の他受注状況も含めた、与信限度額、残高等を確認したい場合がある。
また、受注入力の時に限度額を参照してアラートを出すのも便利そう。 - CTI
Computer Telephony Integration の略。
電話とPCを連携することで、コールセンター等で良く使われる。
特殊系
- 委託販売
商品が売れた時に売上計上を行うが、客先への納入した時点では受注処理も売上処理もしない…。
多くの場合、客先の店頭を倉庫であると見立てて、倉庫間移動で処理する。 - 内示受注
製造業に多いらしい、受注ではないが登録して管理しているだけの受注。
時期に対しての見越し追加生産分の受注等をこれで扱う。 - 見計らい
具体的なものではなく、ある程度の要望から売り手が判断して受注すること。 検索機能でもあれば便利か…?
その他ワード
SFA
Sales Force Automation 属人化しやすい営業活動を、ITで高度化・効率化しようというシステム。
というかまんま Salesforce
だよね(汗
- コンタクト管理
顧客の様々な情報や、関係(訪問回数、頻度、商談進捗など)をDB化して適時共有。 - 商談情況管理 顧客と担当者の商談の情況がどこまで進んでるのか、管理共有する。
- 見積支援
業種ごとの営業活動で、それぞれのノウハウが必要な見積もり作業があるが、こうしたものへの入力支援やチェック機構等を持たせることで、構成ミスをへらす。 - 商品検索システム
商談でも見積もりでもそんなシーンでもだいたい便利だよね…。
常に最新の状態でデータを持たないとならない所があるので、情報集約するためのの機能充実と運用仕組みは考えないとならない。
EIP
Enterprise Information Portal 企業内情報ポータル。
様々なノウハウや情報、サイトやシステム等の入り口を集約して表示することで、必要な情報を効率良く収集するための仕組み。
社内 Wiki とか。
EDI
Electric Data Interchange の略。
「電子データ交換」の意味。 専用回線や通信回線を通じ、ネットワーク経由で標準的な書式に統一された発注書、納品書、請求書などのビジネス文書を電子的に交換することを指す。
財務管理(3)
手形
約束手形はすごく簡単
- 債権者:XXまでに振り込んでねー
- 債務者:あいよー
為替手形は…良く郵便小為替とか使うけどアレ。
- 債権者: 利用者さんサービス提供するでー
- 利用者(振出人): おっしゃ、サービス使いたいし、引受人(郵便局等)さん、小為替かったるわ!
- 引受人:おk,この為替手形持っていけ!
- 利用者:債権者さん、この為替(換金できるやつ)やるからサービス使わせてな!
- 債権者:OK。為替貰ったし、使ってええで!
- 債権者:引受人さん、この為替換金してよ-
- 引受人:うはwwwwおkwwww
みたいな流れで使う。
電子記録債権
なんと 電子記録債権法 なんて法律があるらしい…。
電子債権記録機関(ex: SMBC電子債権記録株式会社 等)で行うもので、紙ベースでやってた債権管理を電子データでやってくれる。
資金調達
超ざっくり資金調達の性質別に以下で分類される。
- 出資と融資
- 負債と株主資本
- 直接金融と間接金融
株式発行
わかりやすい資金調達だね…
日本国内市場だと 100 株単位とかの単位でしか買えない(※LINE証券は 1 株単位で買える)。
まぁ投資家に「うちの株買ってよー配当や優待するしそのうち売却額上がるかもよ?」と言って売りつける方法
社債発行
「N年後に X% 増しで買い取る証券買ってよ」と投資家に売る有価証券。
株と違って上がり下がりは激しくない株に比べれば安定資産。
融資
銀行や日本政策金融公庫から資金を借り入れる方法。
会計上は借入金。まぁわかりやすい借金。
企業の信用力によって融資額が制限される。
ファクタリング
「うちの売掛金(後で支払ってもらうヤツ)の権利(債権)買わない?」とファクタリング会社に譲渡することで早期資金調達する方法。
顧客からの入金を待たずに現金化できる他、貸し倒れリスクも転嫁できる。
固定資産管理
主に 3 つに大別
- 物理的な資産(有形固有資産)
- 土地・建造物
- 機械装置
- 車両
- 形のない資産(無形固有資産)
- 営業権
- 借地権
- 知的財産権(特許等)
- ソフトウェア
- 融資有価証券等の資産
減価償却資産/非減価償却資産
固定資産も使ってれば価値が目減りしますと…。
数年に渡って使用する固定資産の費用計上は、複数年に分配するのが適切という考え方ですね。
- 耐用年数に従って、当該年度分の減価償却費を計上する
- その分を取得原価から減少させていく
減価償却の対象になる資産を減価償却資産といい、有形固定資産では建物や機械装置、車両運搬具などが、無形固定資産では営業権や特許権、ソフトウェアなどが該当する。
定額法と定率法
わかりやすいのが、期間ごとに一定額の価値が下がったとみなすやり方。
減価償却費 = (取得価格 - 残存価格) / 耐用年数
- 残存価格: 耐用年数を満了した時に残っている価額。
もう一つは定率法。毎年一定の率を乗算して減価償却費用を求める方法。
減価償却費 = 期首未償却残高 * 償却率
尚、この計算式だと資産価値 0 にならないのだが、平成19年以降のものは、250%定率法、平成24年以後に取得したものには 200%定率法が適用される。
固定資産の会計処理
企業会計原則では固定資産の会計処理は「原則として、当該資産の取得原価を基礎として計上しなければならない」らしい。
取得原価主義というらしい。
一方で、市場価値のあるものなどは「時価会計」が適用される。これは有価証券等で適用される。
平成18年3月期から「固定資産の減損に係る会計基準」によって上場企業等に減損会計が強制適用される。
固定資産管理の留意点
固定資産管理台帳で管理する。のが一般的。
具体的には個々の固定資産に一意の固定資産管理番号を付与して、固定資産番号、固定資産の種別、名称、取得年月、取得価額、耐用年数、累計償却額などの情報を管理する。
そして、会計処理や税務処理に必要な減価償却や、評価替え、除却や廃棄などの処理を行う。
管理番号の付いたシールを付与する等移動、破棄、贈与等の場合にリアルタイムにメンテナンスできるようにするのが良いそうな。
…個人的にこれ QR コード管理+スマホから台帳編集できるシステム作れば楽じゃね?と思ったりした。
リース
固定資産の貸出契約の事。
リース会社が新入社員用の PC を急遽用意したい…などの要望に対して「20万のPCを5年間、料率2%」で契約すると、リース会社がそのPCを購入/貸与してくれる。
…まぁ新品借りれるとは限らんのだがwww
ファイナンス/オペレーティング
- ファイナンスリース
以下が条件のリース契約。満期で所有権移動がある場合もある。- キャンセル不可(解約時違約金)
- 全額支払い
- オペレーティング・リース
賃貸契約の意味合いの強いリース
オペレーティング・リースは賃貸借処理(経費扱い)になるが、ファイナンス・リースの場合は売買処理(資産としての計上)として扱わなければならない。
会計ソリューション
なんというか奉行クラウドとかでよく見た項目が多い。
財務会計システム
普通にパッケージがやりやすい。
業種による違いとか独自性とか殆ど出す必要がなく、法律とか会計基準がほぼ決まってるので…
加えて機能もだいたい決まってる
- 導入時処理
初期設定。- 会計期間、決算月
- 勘定科目、補助科目等の科目体系
- 部門定義
- 消費税関連設定
- 納税者情報等
- 日時処理
- 仕分処理
- 仕分入力
日々発生する取引を仕分けデータとして登録する。 - データ連携
他システム等からデータを引っ張って入力補完するなど
- 仕分入力
- 仕分処理
- 月次,年次処理
- 決算処理
- 決算仕訳処理
- 決算報告書
- 帳票出力
会計帳簿/試算表/財務諸表等
- 決算処理
他によくあるものは
- 税務申告
- 電子帳簿保存
- 手形管理
- 固定資産管理
等。
尚、セキュリティ的には経済産業省の「システム管理基準 追補版 追加付録」でセキュリティ規定があります。
内部統制報告制度
金融商品取引法では、上場企業に有価証券報告書の他に、内部統制報告書の提出義務も記載している。
財務諸表を含む財務報告の信頼度について判断できるようにするためらしい。
でも翌々考えなくても、中小でも不正会計は禁止なんだよねぇ…
内部統制実施基準
金融庁の企業会計審議会で、実務上遵守スべき擬態的内容が公表されてる。
このへん に書いてある。
内部統制の目的と基本的要素
「内部統制とは、以下に掲げる目的を達成するために、業務に組み込まれ、組織内のすべての者によって遂行されるプロセスをいい、次の6つの基本的要素から構成される」
うへ、めんどくさいw
- 目的
- 基本的要素
- 統制環境
経営方針、組織構造等 - リスクの評価と対応
組織目標の達成を阻害する要員をリスクとして分析・評価する - 統制活動
経営者の命令・指示が適切に実行されてる状況を確保するために定める方針・手続き - 情報と伝達
必要な情報が組織内外、関係者相互に正しく伝わる状況を確保する - モニタリング
内部統制が有向に機能することを評価すること - ITへの対応
適切な方針・手続きを踏まえて、業務実施ができるようIT分野も適切に対応する
- 統制環境
内部統制構築のツール群
帳票書類の保存
電子データ保存
電子データでの保存に関しては 電子帳簿保存法 で定義されている。
紙で保存しなくても良くなってるのがこの法律のおかげ。
e-文書法 によって、取引先からもらった紙書類・領収書もスキャナで取り込んで正式に使えることになってる。
電子データ保存の要件
税務署長の承認が必要な電子データの保存要件
- 真実性の確保
- 訂正・削除履歴の確保(帳簿)
- 相互関連性の確保(帳簿)
- 関係書類等(システム仕様書など)の備付け
- 可視性の確保
- 視読可能性の確保
- 検索機能の確保
これ検索機能どこまで確保すれば良いのか少し悩むね…。
International Financial Reporting Standards
国際会計基準審議会(IASB)が策定する財務報告基準のこと。
日本の法律上は強制適用はしていないが任意適用は認めている。
日本では企業会計基準委員会(Accounting Standards Board of Japan) がが中心に、IFRS との差異を近付けていく形で日本の会計基準を変更し続けている。
適用企業も年々増えていっている。
IFRS の特徴
違い | 日本式 | IFRS |
---|---|---|
思想 | ルール/規則/右ならえ | 原則主義 1 |
利益計算 | 収益・費用アプローチ 1 | 資産・負債アプローチ 1 |
情報集約単位 | --- | 財務報告のセグメント情報を、実際に行われているマネジメント単位に合わせて開示する |
財務会計(2)
期末…分からない社会人いないよな?
決算手続き
これ調べて見ると手順が多い
これが終わると決算確定。
一応法人税法 74 条では、確定決算主義3とする旨が書かれてる。
確定には、以下の手順が必要となる。
- 監査
- 取締役会での承認
- 株式総会での承認
連結決算
グループ企業全体で一つの決算書を作ること。
親会社の会計に、子会社と関連会社の会計を加算して、グループ間取引を財務諸表から排除することで、グループ全体の財務状態を把握する。
- 子会社の独立決算書、その他必要情報の収集
- 連結調整処理
連結するにあたって勘定科目の調整や通貨レート換算を実施すること。 - 資本連結
親会社が子会社を取得したときの差額が連結調整勘定で処理され、子会社以外の非支配株主持分を処理する。
グループ内で持ち合っている資本については相殺される。 - 相殺処理
親会社と子会社の間で、売掛金と買掛金、受取手形と支払手形、貸付金と借入金などの相殺を行う。 - 関連会社(持分法適用会社)の処理
- 財務諸表作成
- セグメント情報の作成
事業の多角化や国際化の進展に対応するために、いったんグループ全体で連結した財務諸表を、①事業別、②国別などのセグメントごとに分類して作成する開示情報のこと。 グローバル企業は大変だw
の手順を踏む。
申告納税
来ましたよ申告と納税、国民の義務。
法人も確定申告を行って納税額を計算し、それを税金として納めなければならない。
納付期限は事業年度終了後2か月以内である。
調整
会計上の損益を求めたうえでその税引前当期純利益から、税法の規定に基づいて加減算して課税所得を求める時の「調整」の処理を 税務調整 という。
提出/公開
株式会社は、会社法 により「決算報告」が義務付けられてる。
これは、貸借対照表、場合によっては損益計算書も官報、日刊新聞、自社Webサイト等に掲載しなければならない。
上場企業の場合は 金融商品取引法 によって、「有価証券報告書」を公表することが必須。
公開場所は EDINET また、財務諸表は XBRL で提出しなければならない。
…まぁ企業ごとに好き勝手書かれたら、統一して処理できんしなぁ(汗
また、国内の金融商品取引所に株式公開をしてるのであれば、TDnet適時開示情報閲覧サービス に提出したり、自社サイト IR に載せたりする。
四半期決算
上場企業は、金融商品取引法のルールで、四半期報告書の提出義務がある。
要するに四半期決算をしないとダメよと。
提出期限は各四半期終了後45日以内。
ただ、金融庁を見る限り、「四半期報告書」を廃止して、「決算短信」一本化使用という話はある。
財務会計
会計
企業会計原則
財務諸表のルールは「企業会計原則」で定められてる。
歴史古い…1949 年からかよ(汗
あくまで原則で規範が殆どだけど一部法律とリンクしてる。
- 一般に公正妥当と認められる企業会計 : 会社法 431 条
- 公正妥当と認められる会計処理の基準:法人税法 22 条
- 法律の規定によって提出される貸借対照表、損益計算書その他の財務計算に関する書類:金融商品取引法 193 条
会計帳簿
色々あるらしい…
- 仕分帳
- 現金出納帳
- 売上帳
- 仕入帳
- 商品有高帳
- 総勘定元帳
- 売掛元帳
- 買掛元帳
計算書類系
会社法の計算書類等
金融商品取引法の財務諸表
財務諸表
貸借対照表
バランスシート( 例 )とも言う。決算日等の特定時点での「資産、負債、純資産」の財政状態を表す表。
資産/負債は「流動性配列法」によって流動と固定に分離される。
- 原則、1年以内に処分等するものを「流動」1年以上在庫するものを「固定」とする定義。
- PC なんて5年償却やろ → 固定資産
- 一部資産で「営業循環基準」が適用される。
通常の営業循環で回転している資産に関しては流動資産とし、それ以外を固定資産とするという基準。
貸借対照表の様式
- 勘定式
簿記でよく出る様式。左に資産、右に負債を並列記載する様式。 - 報告式
有価証券報告書等、資産の部、負債の部、純資産の部で一列に並べる様式。
期間比較がやりやすい。
勘定式なんかは企業の発表でよく見るし、報告式は証券口座でよく見る(よな?ETFとか株買ってないと見ない?)書式。
これを分析(安全分析というらしい)するとき、企業の支払い能力に焦点を当てて、貸借表の項目比率を算出して分析する。
この比率を「静態比率」というらしい。
- 200% あるのが望ましいらしい。日本だと取引決済の信用機関が長いせいで、売掛金+受取手形のように債権と債務が同額追加されやすいので、 100% に近づいていく。
- 100% 以上が望ましいそうな。短期的な支払い能力を意味する。
- : 100% 以下が望ましい。財務安全性の指標。
- 100% 以下でないと危険信号。同じく財務安全性の指標。
- : 同じく財務安全性の指標。100% 以下が望ましい…というか下回ってないと、返すための借金が必要な状態に…
- : 50% 以上が望ましい。しかし、高すぎるということは外から入る資本が活用できてない…投資しても旨味が少ないという判断ができる。
損益計算書
バランスシートが一時点の内容なのに対して、こっちは一定期間の範囲を持った営業成績を表す。
- 売上総利益
粗利。売上高 - 売上原価
- 営業利益
売上総利益 - 販売費及び諸経費
会社が本業で得られた利益。これのマイナスが連続する場合、ビジネスモデルが破綻してる可能性あり。 - 経常利益
営業利益 + (営業外収益 - 営業外費用)
投資等を行ってる企業が挙げてくる項目。 - 税引前当期純利益/税引前当期純損失
経常利益 + (特別利益 - 特別損失)
単年度の突発的な損益(災害で発生した臨時損失など)を加味した利益。 - 当期純利益/当期純損失
税引前当期純利益 - 法人税等
税金を支払ったあとに残る利益の事。
分析
- ROE
利益 / 自己資本
の比率 - ROA
利益 / 総資産
の比率 - ROI
利益 / 投下資本
の比率
「投下資本 = 自己資本+社債発行額+借入金」とする場合が多い - 労働生産性
付加価値 / 従業員数
2 - 労働分配率
人件費 / 付加価値 * 100
キャッシュフロー計算書
現金/現金同等物の増減を表す。
分析技法
汎用
- ブレーンストーミング
質より量。工程も否定もしないで意見を出しまくる。 - KJ法
ブレーンストーミングで出た意見を、本質的に同じモノなどをフループ化してクラスタリングする。
マーケット系
- デルファイ法
技術動向や市場動向、環境などが将来どうなっているのかを予測する手法。
アンケートを取る→集計→再思考 を繰り返して統一を取る。 - クロスセクション法
類似の事象動向から未来のマーケットを予想する。 - シナリオライティング法
現在の状況から理屈で次に起こり得る事象を想像する。
楽観シナリオと、悲観シナリオ、中庸なシナリオをそれぞれ想定する。 - フォーカスグループ
特定の(フォーカスした)ターゲット層(グループ)から意見・感想を集めて、特定層に特化した新製品や企画を行う手法。 - コレスポンデス分析
ブランドの持つイメージ項目を散布図にプロットして、ブランドのポジショニングを分析する方法。 - デシル分析
利益率の高い顧客 10% を分析して、売上貢献度の高い自社ビジネスを分析する方法。 - コーホート分析
世代は年齢を重ねても行動が変わらないと言う論理に注目して、世代間の違いを分析する方法。
...就職氷河期世代とか… - マーケットバスケット分析
同時購入されやすい商品を抽出する手法。データマイニングしれ!
統計、数値系
- モンテカルロ法
乱数をを使ってシミュレーションを繰り返す。
確率で予測するのが特徴。統計だと割と常套手段の一つだったりする。 - クラスタ分析
似たようなデータを階層化、グループ化していく方法。
機械学習の「K近傍」とかこの辺。
近似を取るアルゴリズムは協調フィルタリングとかベクトルを使ったりもする。 - データマイニング
マシンを使って、統計/数学解析し、人間の気づかなかった法則などを見つける手法
統計解析ツールつかえ!wwww - 時系列回帰分析
横軸に時間、縦軸に実績を置いて、傾向線を引く。
そこから直近の将来を予測する。
株やってるなら、トレンドチャネルを引くといえばわかるはず。 - 回帰分析
来たよ統計手法。原因変数と結果変数(目的変数)の因果関係を数式で表す。
これを用いて将来予測を行う。
パラメータに対応する数式書いて、最小二乗法とか微分使った最急降下法か何かで、最近似の数式が手に入れば、その後の後の状態予測出来るやろ?って話。 - 決定木分析
パラメータを分岐判断するモデル(決定木)を作成して未知の新しい値がどのような結果になるか予測する。
というか Kaggle で Titanic を解く最初の一手かな。
木?花の色は?花のサイズは?茎の太さは?みたいな分岐を作る。この順序は学習データセットをエントロピー計算式の値を見て…(脱線
管理会計
会計管理は経営分析、予算統制、原価管理が基本らしい。
予算統制を行うには予算を編成するのが最初。
予算編成
方法は色々あって、ゼロベース予算1 もあるけど一般的には過去の実績から単年度計画に合わせて部門予算を組む。大体こんな流れ
- 各部門で経営戦略・中期計画・単年度計画に基づいた予算案を作成。詳細を各部門で積み上げる
- 各部門予算を集計
- 目標達成度、全体最適化の観点、もしくは予測財務諸表との整合性から、経営会議で予算の組み直し、承認を行う
- 月次計画を元に時系列予算配分の調整を行い、各部門の整合性を図る。
実績収集
予算編成の次の運用フェーズ、対象となる器官に実績を収集する。
予算比較で達成度合いを確認し、問題があればアクションを起こす。
やってることは進捗管理や費用管理と同じ…こんなものを各システム空引っこ抜いて集計すればおk
- 部門別担当者別経費(財務会計シス)
- 部門別担当者別販売実績(販売管理シス)
- 地域別販売実績(販売管理シス)
- 顧客別販売実績(販売管理シス)
- 製品別実際原価(生産管理シス)
予算の見直し
あれです、国がよくやる「修正予算」とかいうやつ(汗
非現実的な予算をいつまでも夢見て追いかけてもしょうがないので、直近の実績を考慮して予算そのものを見直すこと。
半期とか次年度予算編成時に、通年の予測を修正する。
ワード:ローリングフォーキャスト
年度予算に対して、四半期の結果等を元に次四半期等の月別予算に対して予想(フォーキャスト)し、見直しをかけて年度予算を最新状態に保つ考え方。
過去の実績から予算最適化するのではなく、あくまで直近の値から将来の状況予想して編成する辺りが違う。
ワード:BBM
Beyond Budgeting Model 略らしい。
月単位、四半期単位の予算計画にしてしまう方法。
予算計画の期間は長いほど下記の問題があると言うのがその論拠
- 長期であるほど労力がかかる
- 長期ほど柔軟性に欠ける
- 長期ほど計画と実績の乖離で形骸化しやすい
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規定の継続業務に要する費用から予算を算出する。文字通りゼロから編成していく。↩