技術をかじる猫

適当に気になった技術や言語、思ったこと考えた事など。

物流・在庫管理(2)

出庫

名前の通り、関連処理が 出庫処理 (出荷処理ともいう)という。
主に下記のような機能がある

  • 出庫指示入力
    出庫指示書をプリントアウトすることもある。
  • 出庫予定表
    本日出庫予定の一覧などを出力する。
  • ピッキング*1リスト
    これからピッキングする商品のリスト
  • 出庫入力
    ピッキング完了後に出庫完了直後に行う入力処理。
    この時点で売上データを作成する。
  • 出庫伝票
    出庫単位に発行する伝票。
    発行して自社で保存しておく場合に利用する。
  • 出庫照会/出庫問合せ/出庫一覧表
    実際に出庫した商品の一覧表または照会画面。
  • 納品書発行
    納品時に顧客へ渡す納品伝票。
    場合によっては受領書との複写式をするなど。
  • 指定伝票発行
    取引先が指定する納品書書式で印字・出力するなど

出庫指示

通常、倉庫では物流量に応じてルールを決めて指示を出す。「1日1回12時までの注文を13時に出庫指示を行う」「1日N回X時間置きに…」など。
任意のタイミングで設定できるようにしておくのがよさげ。

ピッキング作業

ピッキングリストを出力し、それに基づいて出庫作業を開始する。
これは出庫対象商品を倉庫からかき集めてくる作業になる。

ピッキング作業も倉庫がデカいと人件費もバカにならない。そのためバイトを野党などコスト削減することになる。つまり、それに合わせた最適なピッキング方法を考えておく必要がある。

なんてのがある。

入庫

入荷ともいえる。受領(≒入荷処理)して保管場所を格納(≒入庫処理)していく。
受領に際して、検品や受入検査を行う。

検品だと、数量や破損チェックなども行い、不具合があれば受領しないなどの措置を取り、再納品してもらう。
検品に時間がかかる場合は、一旦置いてもらい(受領はしていない)、不具合があれば次回納品で持って帰ってもらう。
これが未受領なのは、未受領と返品は会計処理が異なるから。

そのため注意点は

  • 検品項目、検査方法、検査結果を記録できるようにしよう
  • 不良品在庫場所、検査場などを属性として付与して、在庫場所登録できるようにする
  • 在庫に品質グレードといった属性を持たせる

なお、検品は検品でコストのかかる作業なので、到着した商品をそのまま受け入れる「ノー検品」と呼ばれるそうな。
検品のエラー率が十分に無視できるレートである場合にこうした対処を行う場合があるそうです。

発注処理をシステム化しているなら、入荷予定日ごとに入荷予定表を作成→発注品が正しく納品されてるか確認→問題なければ入荷処理の流れ。
なお、発注元が納品に先だって出荷に関するデータを送信してくる場合があり、これを ASN というらしい。

棚卸

決算時に棚卸資産を確定させ、売上原価を計算する。 方法にしては

  • 帳簿棚卸法 : 帳簿を用いて数量を把握する方法。
  • 実地棚卸法*5 : 人海戦術で現物を見て数量を把握する方法。エリア単位で割り当てして行うことが多い。

大抵の場合は両方採用してる。

棚卸後は会計処理するわけだが、帳簿棚卸と実地棚卸で出た数量差異は会計上 「棚卸減耗費」 という名称で処理するそうな。
これには原価があれば売上原価に繰り入れて、なければ営業外費用(or特別損失)として扱う。
で、壊れていたり古すぎて商材にならないものは、「破棄(商品破棄損 として扱う)」か「価値を下げる(商品評価損 として計上)」とみなす。

棚卸資産の評価

決算期とか、売上原価を計算するのに実行する。
財務会計(売上原価の計算)をまず行う。

  1. 昨年度の在庫評価額*6 + 1年間で発生した商品仕入高(当期商品仕入高) を計算
  2. 棚卸した際の SUM(数量 * 原価) = 期末商品棚卸高 を計算
  3. 前述の 1の値 - 期末商品棚卸高 = 売上原価
  4. 売上高 - 売上原価 = 販売利益 が産出できる。

棚卸資産(≒在庫)の評価はにシュル。

  • 原価法 : 文字通り原価で扱う
  • 低価法 : 現実的な売却価格で扱う

基本の原価設定にもいろいろある。

  • 個別法
    個別に単価を設定する。
    個体ごとの価格差が大きい場合に使う。
    中古ショップなら、商品の保存状態で考えるなど。
  • 総平均法
    「一定期間の受け入れ金額の総和」を「受け入れ数量」で割って平均単価を設定する。
  • 移動平均
    前回までの仕入時の単価、数量を記録していき、次回仕入を行うタイミングで平均をとって原価にする…を繰り返す。
    これをすると月ごとに原価が変わったりするが、販売単価は売れた時の単価で記録する。
  • 単純平均法
    すべての仕入数、仕入単価を記録して、全部足して平均する方法。
    …決済が期末とかでない限り成立しない方法。
  • 先入先出法
    FIFO ですね。在庫を入荷した時の単価、数量を記録しておき、売れたときは「最も古い在庫が売れた」とみなして原価を扱う。

*1:保管場所にある商品や、一時的に置かれた商品を出荷場所へ集めること

*2:棚から複数出荷先分の商品をまとめて拾い(種袋を拾って)、複数用意した配送カートに分配していく(種まきする)。

*3:配送カートを持って倉庫を回りつつ、商品を拾っていくやりかた

*4:棚などに取り付けられたデジタル表示器の指示にしたがってピックアップしていく方法

*5:日付を決めて一気に行う(スナップショットというと分かりやすいか…)一括棚卸と、一定の期間をかけて順次棚卸をする(逐次実行のシーケンシャル処理)循環棚卸がある。後者は棚せいりしづらい

*6:機首に前年の結果を持ってくる