技術をかじる猫

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読書: アメリカの高校生が学んでいるお金の教科書(4)

貯金と銀行の基本

前回

white-azalea.hatenablog.jp

貯め方より使い方が重要

貯金はお金を使わずとっておくこと…って日本人ならほぼほぼ当然の感覚だと思う。

貯金の主な目的は以下の通り(使い方)。

  • 将来を全て見通せる訳ではないので、将来の支出に備える
  • 高校、大学、車、家、結婚、子供、起業等の目標のため
  • 非常時に備えるため
  • 人生における自立を実現するため

こうした目標があるから貯められる。

誰でもできる貯金のしかた

給与が入ったら自動で別口座に定額切り離せ!
収入の 20% が目安。

どんなFIRE本でも言ってる事ですね…
人は使えるお金があると使ってしまうので、使う前に使いにくい場所へ隔離してしまう。
個人的なオススメは、積立NISAにクレジット決済でつみたててしまう方法。
銘柄は米国か全世界かのインデックスファンド。(厚切りジェイソン氏いわく、楽天VTI がオススメ)
よく言われるのは S&P500/VTI/VT/全世界 と言われてる。

銀行は何のためにあるか

個人やビジネスからお金を預かり、個人やビジネスにお金を貸す。
銀行はこれにそれぞれ利子をつけることで、利鞘をを収入としている。

こんなビジネスモデルなので、長短金利差によって収益を得ていると言える。
通常は「短期金利 < 長期金利」なので、長期金利のレートでお金を貸し、短期金利のレートで銀行口座の預金に利子をつける。
なので長短金利の逆転現象や差が小さくなると、銀行は貸すだけ赤字になる。
銀行が貸し渋れば企業のキャッシュフローが落ちることから景気後退に繋がる可能性がある。
短期金利政策金利といい、中央銀行が無担保コールレート*1翌日物を政策金利として設定し、金利水準をコントロールしている。
長期金利はおおよそ市場が決定する。長期貸出に対応する金利レートですが、短期金利は変動するので、そのリスクを含んで通常は「短期金利+α」の値になる。
時折市場が追いつかない速度で短期金利を上げられる事で逆転現象が起きる。

銀行口座

銀行口座は銀行との契約関係の発露。貸金庫ならまだしもそうでなければ口座開設で物理的な何かができる訳ではない。
銀行口座を利用するのは自分が手元にお金を置くより安全で、利便性が高いから。

ATM

銀行の窓口でできるようなものを遠隔で、無人で行う機械。
消費者が気をつけるべきは手数料。

デビットカード

講座に直結した、支払いを行うためのカード。
プリペイドはチャージ金額までと上限が決まっているが、こちらに上限は存在しない。(=つまり預金にあるだけ使える)

銀行以外の金融機関

色々ある。

  • 保険会社 : 保険の本質は発生率が低くく、ダメージの大きい問題に備えること。
  • 証券会社 : 株、債権、投資信託国債等の売買する機関。
  • クレジットカード発行会社 : 与信(≒ツケ)で買い物する仕組みを提供する会社。
  • 投資銀行 : 大きなビジネスや企業の社債や株の発行、倍数等特殊な金融サービスの役割を担う銀行。昨今は普通の銀行にこうした機能が統合されている。
  • ファンド : 投資信託のこと。複数の投資家から委託を受けて株等の取引を行う組織。
  • プライベートエクイティファンド : 公開されていない株を運用するファンド
  • ファンドマネージャー : 金融資産をを運用する専門家。ファンドの運用担当。
  • ヘッジファンド : 市場が下落したときに利益が出るようなポジションを取るファンド
  • 商工ローン : 事業資金を貸し出すビジネス。事業融資という意味では銀行と似ているが、支店も無ければ預金口座もない。

サービスと手数料

銀行の業務は、顧客の預金を事業に貸し出す事で利鞘を出すこと、もう一つは各種サービスの手数料を取ること。

良く投資入門で「銀行の投資信託は選ばない」というものがある。
これはこの手数料によるもので、銀行でも最近は投資信託を扱ってはいるが、その管理は提携した証券会社になる。
そのため銀行窓口で購入する際に手数料(この場合仲介手数料)を含ませる。
素直に投資信託は証券会社で買いましょう。
因みに、ネット証券は店舗が存在しないこともあり価格競争もあって、いくつかの投資信託は購入手数料無料が続いてる(2022/07 時点)

モバイル決済

PayPay とか日本では有名ですよね。スマホをかざしたり、QRコードで決済するアレです。
店頭ではスマホで決済しても最終的にはクレジットカードやデビットカードでの支払いになる。

これのビジネスモデルどうなってるか調べて見ましたが、どうも「加盟店からの決済手数料」と利用者からは「有料サービス」が前提のようだ。
利用者から金を取るより加盟店側への「機会損失の回避」に対する対価と考えれば良いのかも知れない。
有料サービスにはサービス利用料等(が発生するものもあるようだ)も含む。

エレクトロニックバンキング

インターネットバンキングのこと。
ネットでやる銀行システム。

尚、証券会社とタイアップがあって、連携するとボーナス!みたいなものがある。
例えば楽天銀行は、楽天証券と連携設定を行うと、預金の 300 万円までは年利 0.1% になる。(100 万預けておけば、1000 円の利子がつく。通常の銀行だと 0.001 %なので 10円)
SBI 証券等でも同様のサービスがある。

預金保険

米国では連邦預金保険公社FDIC)があり、銀行が破綻しても顧客の預金を守る仕組みがある。
これは銀行が破綻しても、25万ドルまでは預金を保証するシステムで、銀行の預金だけが対象になる。

日本だと上限は 1000 万円。銀行講座、証券口座に適用される。

またこの母体は中央銀行連邦準備制度(FDE)で、この理事会が FRB である。
中央銀行としては以下の役割がある

  • マネーサプライ : マネーサプライのコントロール。銀行が保有する準備金の額、FED が貸し出す金の金利政策金利)、国債の購入等。
  • 銀行や金融機関への貸付 : 金融機関の破綻を防いで、金融システムの維持を行う。
  • 金融セクター全体の法令監督

銀行に預ければ安全か?

銀行は顧客の預金を貸し付ける以上、銀行自体に残してる現金は言うほど多くない。
ここで利用者が集団ヒステリーのように引き落とし/解約を始めると、破綻することがある。

これは「取り付け騒ぎ」といい、大恐慌のきっかけになった。
ただしこれは噂などにより金融システムへの信用が下がることで発生した。

現在は預金保険があるため、仮に銀行が危うくても慌てて預金を引き出す必要はない。
この制度によって取り付け騒ぎのリスクはほぼ消失したと考えて良い。

日本でも取り付け騒ぎは度々起きていて、近年だと 1995 年でコスモ信用組合、木津信用組、代信用金庫が。
1997年で 紀陽銀行北海道拓殖銀行山一證券足利銀行などがある。詳しくは Wikipedia 取り付け騒ぎ を参照。
見ればわかるが、知人に「佐賀銀行が26日に倒産する」というメールがチェーンメールで広まった事で騒ぎになっている…マジで噂で銀行が追い込まれる。

*1:コール市場(金融機関が日々の短期的な資金の過不足を調整するための取引を行う場)における無担保での資金貸借のうち、約定日に資金の受払を行い、翌営業日を返済期日とするものにかかる金利